「あなたがしてくれなくても」感想(ネタバレあり)と今後の展開予想

感想&私が共感したところ

これはセックスレスの話ですが、題材がセックスレスというだけで、男女のすれ違いとしたら別の事でも当てはまると思います。男女のすれ違っていく様子を心情とともに描き表している素晴らしい作品です。

私はセックスレスになったことはないのですが、こっちが求めていることを拒絶される、蔑ろにされるといった経験はありますので、そういう面では主人公「さち」の気持ちがすごく良くわかります。
可愛い下着を買ってみたり、美味しい料理を作ってみたり、はたまた真剣に話し合いをしようと話題にしてみたり。。。

この、問題を解決しようと話し合いを試みるけど、あからさまに拒否されるって経験、女性ならあるんじゃないでしょうか。
女って、問題を解決しようと頑張るんですよ。
けど男性側からしたら、それは鬱陶しいだけで、こちらの意図が分かると、あたかも面倒臭そうな態度をするんですよ。隠してるつもりでもそんなの分かるんですよ。

女って、頑張って頑張って、自分の容量オーバーまできたら心のシャッターを下ろすんです。そして、その後いくら相手が反省したり改心しても、もう何も響かないの。おしまい。

このカップルの場合は、話し合いしても、相手が明らかににウソだとわかるウソをつくことで、「あぁ、もうダメなんだな」とわかってしまう。
そして話し合いが終わった後のさちの「そっか、わかった」は、一旦心のシャッターを下ろしたんだなってわかります。

心のシャッターを下ろしたから、もうそのことに関して何とかしようとか、悲しくなることもない。

けどこのカップルの場合、夫婦関係はまだ続いてくんです。いくら心のシャッターを下ろしたからといって、相手に全く関心を無くせば別ですが、夫婦としての関係はまだある状態。その状態が続いていくと、自分は大丈夫だと思っていても容量オーバーになってしまいます。

今後の展開予想

ハッキリ言って、残念だけどこのカップルは最終的に別れることになると思いますね。
だって、こうなってしまった以上、行く末は3つしかないですよね。
1. 別れる(離婚する)
2. 問題(セックスレス)を解決して夫婦関係を続ける
3. このままの状態(セックスレス)で夫婦関係を続ける

1は別れるとして、2のセックスレス解消は、余程のことがない限り解消なんかされませんよ。大体別れる手前か、別れた後に気づくパターンですね(男が)。そういうのは大抵手遅れだったりするんです。

そして3のこのままの状態で夫婦関係を続けるって、我慢してる方は半端ないです。そんなの一生続けられるわけないじゃないですか。

旦那さんは子供は欲しいような事言ってますけど、子供ってセックスしないとできないです。いずれ子供を作るために義務的にしたとしても、”さち”はそういうのを望んでいるわけじゃないです。それだと一時的に解消されたとしても、また元に戻ってしまって根本解決にはならないでしょうね。

というか、このカップルは子供がいないし、まだ若いし、別れてお互い別の相手を見つけた方がいいと思います。ってか、そうなるんじゃないかな。

タイトルにあるように「あなたがしてくれなくても」ということは、別の誰かにしてもらうというようなニュアンスに聞こえます。ってことは、やっぱり不倫になってしまうのでしょうか・・・。

でも一番最初のページの「あなたとの条件は一つだけ、セックスはしない事。」とあるように、プラトニックの関係の不倫ってことにもなりそうですよね。体の関係がなければ、法律的にも不倫にはならないですし。

というか、逆にセックスレスは離婚の原因になります。だから、むしろこれは旦那の方に非があるとして離婚してしまった方がいいと思いますけどね。

セックスレスの問題はセックスのみではないんだと思います。セックスできる関係なのにそれを拒まれるということは、自分の存在自体を拒まれると同じような痛みを負うのだと思います。
逆にセックスできない関係なら、心の隙間を埋める手段は他にもある。体の関係がないから補い合える部分があるのかな、なんて思います。
男女の関係って難しいですね。

最後に

ということで、2巻の発売は7月27日だそうです。Kindle版は8月1日発売みたいです。
2巻が待ち遠しいですね!

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