本「人を動かす / デール カーネギー」の感想とまとめ

内容

人間関係の古典として、あらゆる自己啓発本の原点となったD・カーネギーの名著。常に机上において読み返す本として、重厚で華麗な装丁にあらため、四六判・上製(ハードカバー)とし、本文も読みやすく組み直した.
本書は、社会人として持つべき心構えを興味深い実例をもって説得力豊かに説き明かして類書の追随を許さない。深い人間洞察とヒュウマニズムを根底に据えた感動の書。聖書につぐ世界的ロングセラー。

感想

取ってつけたような心理的な技術より、人として当たり前のこと(相手を褒める、人の身になる、など)を自然にできることが、人を動かす最も重要なことではないでしょうか。

この本はビジネス本としてはかなり有名な本で、全世界にわたって親しまれてきてます。
英語タイトルは「How to Win Friends and Influence People.」

かくゆう私も、すでに2回ほど読んでますが、何度読んでも、ハッとさせられ、
今後も行き詰まりを感じた時なんかは、何度も読んでいきたい本となりました。

本来、当たり前のことのように思う”褒める”や”人の身になる”などは、
実際できているかというと、そうではない人のほうがほとんどじゃないでしょうか。

わかっていても、なかなかできないのですが・・・。

人は感情の動物ですから、どうしても自分の感情が先にたって、
感情の通りに行動してしまうことが多いのです。

そんないろんな状況を、様々な人の行動を例に出して、わかりやすく解説しています。

特に、「褒める」は重要。

その他で目からウロコだったのが、「相手にしゃべらせる」「相手の話を聞く」。

確かに相手が熱心に自分の話を聞いてくれていると、調子に乗ってしゃべってしまい、自分がいっぱいしゃべった後は、その人と一緒にいた時間が楽しいものだったと思ってしまいます。

自分がされたら嬉しいことは、相手だって嬉しいのは当たり前。

人は、一緒にいて気持ちいい人と一緒に居たいと思うものです。

この本はその、一緒に居て居心地の良い人になれる要素が指南されています。

以下、自分への健忘録として重要だと思った内容のをまとめました。

まとめ

人を動かず三原則

(目次のパート毎にまとめてありますが、題名と異なる場合あり)

1:人の悪口は決して言わず、長所をほめる

人間はたとえ自分がどんなに間違っていても、決して自分が悪いとは思いたがらないもの。

他人のあら探しは何の役にも立たない。 気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える。

人間は誰でもみな、自分を褒めてくれるものを好くものだ。

2:重要感を持たせる

人を動かすには、相手のほしがっているものを与えるのが唯一の方法。

人間のあらゆる行動は、性の衝動と偉くなりたいという願望

人間の持つもっとも根強い衝動は、”重要人物たらんとする欲求
自己の重要感(他人に認められること) 自己評価を高めてくれる言葉
→相手の自己評価にぴったり合うことを言ってあげる。

自分の長所、欲求を忘れて、他人の長所を考える
=うそではない、心からの賞賛を与える
→結果、相手に自尊心を満たしてやる

3:人の立場に身を置く

人を動かす最善の法は、まず、相手の心の中に強い欲求を起こさせる。
そして、みずから動きたくなる気持ちを起こさせる。

人を動かすには、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやること。

どうしたら、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか?

→「もし私が相手だったら、~する一番の楽しみは何だろう?」
客は自分で買いたいのであって、売りつけられるのは嫌なのだ。

→ほしい気持ちにさせる。相手の利益、助けになるようにする。
何かすばらしいアイディアが浮かんだ場合、そのアイディアを相手に思いつかせるようにしむけ、相手はそれを自分のものと思い込み行動をする

→相手の心の中に強い欲求を起こさせる。
自分の望むことについては何も言わず、もっぱら他人の立場に身をおいて考える。

人に好かれる六原則

1:誠実な関心を寄せる

・友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せること。

相手の名前を呼んであげる(会話中など)

相手の誕生日を聞く→すきを見て相手の名と誕生日をメモする→誕生日帳に記入する→相手の誕生日には祝電や手紙を送る。

相手の関心のある問題にこちらが誠実な関心を寄せる。

2:笑顔を忘れない

笑顔を見せる気にならない時は、むりにでも笑ってみる。
幸福でたまらないようにふるまうと、本当に幸福な気持ちになる。

3:名前を覚える

相手の名前を覚え、相手に重要感を持たせること。(会話中に名前を呼んでやる)

4:聞き手にまわる

終始自分のことだけしゃべらず、相手の話を聞く。相手の話している間は何か意見があっても話をさえぎらない。話の途中では口をはさまない。最後まで話を聞く。

相手が喜んで答えるような質問をする。相手自身のことや、得意にしていることを話させるように仕向ける。

「少年時代の話を聞かせてほしい。」など、進んで自己を語らせる。

5:関心のありかを見抜く

相手がどんな話題を喜ぶか考える。

6:心からほめる

人間は誰でも周囲のものに認めてもらいたいと願っている。見えすいたお世辞は聞きたくないが、心からの賛辞には飢えている。

人と話すときは、その人自身のことを話題にせよ。

人を説得する十二原則

1:論議をさける

論議をすればするほど意地になり、仮に相手を徹底的にやっつけたとしても、やっつけられたほうは劣等感を持ち、自尊心を傷つけられ、憤慨するだろう。

  • 腹を立ててはいけない…何に腹を立てるか、それで人間の大きさが決まる。
  • まず相手の言葉に耳をかたむけよ…相手に意見を述べさせ、最後まで聞く。
  • 意見が一致する点を探せ…相手の主張を聞いたら、まず賛成できる点を探す。
  • 率直であれ…自分がまちがっていると思う点をさがし、率直にそれを認めてあやまる。
  • 相手の意見をよく考えてみる約束をし、その約束を実行せよ…相手のほうが正しいかもしれない。はじめに相手の主張をよく考えてみる。
  • 相手が反対するのは関心があるからで、大いに感謝すべきだ…わざわざ時間をかけて反対意見を述べてくれるのは、あなたと同じ事柄に関心を持っている証拠だ。
  • 早まった行動を避け、双方がじっくり考え直す時間を置け。
  • 思いおよばなかった点を指摘してくれる人がいたら感謝しなければならない…この指摘は重大な失敗をあらかじめ防ぐきっかけをつくってくれているのだ。

2:誤りを指摘しない

人を説得したければ、相手に気づかれないようにやることだ。

誰にも気づかれないように巧妙にやる。教えないふりをして相手を教え、相手が知らないことは、忘れているのだと言ってやる。

自ら気づく手助けをしてやる。自分の意見を断定的に述べない。控え目に意見を述べる。

「私はこう思うのだが…」

など。

3:誤りを認める

自分に誤りがあるとわかれば、相手の言うことを先に自分で言ってしまう。

そうすれば相手には何も言うことがなくなる。

4:おだやかに話す

味方だとわからせること。決して高圧的な言い方はしない。

5:”イエス”と答えられる問題を選ぶ

まず、相手が”イエス”と言わざるをえない質問をする。

次の質問でもまた”イエス”と言わせ、次から次へと”イエス”を重ねて言わせる。

相手が気づいた時には、最初に否定していた問題に対して、いつの間にか”イエス”と答えてしまっている。(ソクラテス式問答法)

6:しゃべらせる

相手を説得しようとして、自分ばかりしゃべる人がいる。

相手に十分しゃべらせることだ。相手のことは相手が一番よく知っている。

相手の言うことに異議をはさみたくなっても、我慢しなくてはいけない。心おきなくしゃべらせてやる。

味方をつくりたければ、友に勝たせるがいい。

自分のことをしゃべるのはなるべく少なくして、相手の言葉に耳を傾けるようにする。

自分のことは求められないかぎり、話をしないようにする。

7:思いつかせる

相手に相談を持ちかけ、できるだけその意見を採り入れて、それが自分の発案だと相手に思いつかせて協力させる。

8:人の身になる

どうすれば、相手はそれをやりたくなるだろうか。」と考えてみる。

9:同情を持つ

人間は一般的に同情を欲しがる。それを与えてやる。

「あなたがそう思うのは、もっともです。もし私があなただったら、やはりそう思うでしょう。」

10:美しい心情に呼びかける

人間は誰でも、理想主義的な傾向を持ち、自分の行動については、美しく潤色された理由をつけたがる。

心から信頼され、正直で構成な人物として扱われると、なかなか不正なことはできないもの。

11:演出を考える

事実に動きを与え、興味をそえて演出する。
時には、簡明に、劇的に語ること。

12:対抗意識を刺激する

他人よりも優れたいという競争心を利用する。

優位を占めたい欲求、重要感を得たい願望を刺激するのだ。

人を変える九原則

1:まずほめる

2:遠まわしに注意を与える

まずほめておいて、次に”しかし”という言葉を挟んで批判的なことを言いはじめる人が多い。

この失敗は”しかし”という言葉を”そして”に変えると、すぐに成功に転じる。

ほめ言葉の後に批判が続かないので、素直に耳を傾けるだろう。

「~そして、~するともっと良くなるよ。」

3:自分のあやまちを話す

人に小言を言う場合、謙虚な態度で、自分は決して完全ではなく、失敗も多いがと前置きしてから間違いを注意してやると、相手はそれほど不愉快な思いをせずにすむ。

失敗した場合は、責めたあとでもほめる。

4:命令をしない

命令を質問のかたちに変える。

「こう考えたらどうだろう」「これでうまくい行くだろうか」などどいったぐあいに相手の意見を求める。

5:顔をつぶさない

相手の自尊心を傷つけない。
大切なことは、相手が自分をどう評価するかではなく、相手が自分自身をどう評価するか。

6:わずかなことでもほめる

どこのどのような点がすぐれているか、はっきりと説明をしてやる。
言葉が具体性を持っていてはじめて誠意のこもった言葉になる。

7:期待をかける

相手をある点について矯正したいと思えば、その点についてすでに人よりも長していると言ってやる。

相手に美点を発揮させたければ、相手がその美点をそなえていることにして、公然とそのように扱ってやる。

良い評価を立ててやると、その人間はあなたの期待を裏切らないように努めるだろう。

8:激励する

相手の能力をこちらは信じているのだと知らせてやる。
そうすれば相手は、自分の優秀さを示そうと懸命にがんばる。

9:喜んで協力させる

肩書きや権威を与え、自ら進んでやるようにしむける。
人にものをたのむ場合、そのたのみが相手の利益にもなると気づくように話せ。

幸福な家庭をつくる七原則

1:口やかましく言わない

2:長所を認める

3:あら探しをしない

我々は一番近い、そして大切な家族に対しては、ささいなあら探しをして、失礼なことを平気で言う。

家族にも礼儀を守るべき。

4:ほめる

5:ささやかな心づくしを怠らない

妻に対するささやかな心づくしの価値を軽く見すぎている男性が、世の中には多すぎる。

相手に、こちらの心づかいを知らせれば、それでよい。

女性は誕生日や記念日を重視する。
妻の誕生日と自分達の結婚記念日は、絶対に忘れてはいけない。

6:礼儀を守る

大切なことは、結婚後の礼儀。夫や妻にも礼儀を守るべきだ。

7:正しい性の知識を持つ

結婚の失敗は通常、四つの原因から起こる

  1. 性生活の不調和
  2. 余暇利用法についての意見の不一致
  3. 経済的な困難
  4. 心身の異常

性生活の均衡を保つことは結婚生活には絶対に必要。

性生活さえ順調であれば、たいていの場合、ほかの多少の摩擦は問題にならない。

最後に

「人を動かす」というと、何か特別なテクニックのように聞こえますが、これらを意識するようにすると、普通の人間関係をとてもスムーズにすることができます。人間関係の悩みを持つ人は、ぜひ読んでおきたい本です。

また、仕事で営業やセールスマンなどには特に役立つのではないでしょうか。

人を動かす
デール カーネギー
出版社: 創元社; 新装版 (1999/10/31)
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